ご挨拶

このたび第4代のKKRシミュレーション・ラボセンター長に就任いたしました上坂義和です。皆様にはいつもKKRシミュレーション・ラボセンター（KS-lab）を御指導、御支援、御利用を頂き、誠に有難うございます。

KS-labは2006年4月に、国家公務員共済組合連合会（KKR）傘下の病院で運営されている共済医学会の研修施設として虎の門病院分院内に開所しました。以来、19年が経過しました。2019年には虎の門病院本院内に移転し現在に至っております。開所にあたっては、前共済医学会会長の山口徹先生、初代センター長の中西成元先生による構想に始まり、移転に際しては共済医学会会長の大内尉義先生、歴代センター長、KKR本部、KKR病院の皆様にご支援いただき現在に至っております。

虎ノ門は東京の中心部にあり、国内外のアクセスも良好な地にあります。当初の目的であった医療安全確保のための研修教育に加え、災害対応、国際化に貢献する使命が当センターには現在与えられています。そのためKS-labは災害拠点病院である虎の門病院救急外来と隣接し壁面に実使用可能な酸素や吸引装置などが用意されており、災害時には講堂とKS-labを一体化して災害医療を提供する基地となります。

コロナ禍では従来の対面研修・シミュレーションコースを一旦全て中止せざるを得ませんでしたが、その逆境を糧にネット環境が整えられ、全国KKR病院へ質の高い画像と音声が同時配信できるようになっております。研修記録のアーカイブは数年前からクラウドに保管可能になり強化されています。今後はこうしたシステムも利用して、全国KKR病院を結んだオンライン研修や、オンサイト研修とのハイブリッド研修の提供を進めます。特にハイブリッド研修は、事前にオンライン学習を修了することで、会場での受講時間が短縮されるため、多忙な医療関係者にとって効率よく研修を受講できるようになります。KS-labでは診療手技のシミュレーションやBLS, ACLS, JMECCなどの心肺蘇生研修に加えて、気づき塾、I’m Safer、医療安全管理者研修など様々なレベルでの医療安全に関わる研修、更には医療メディエーター研修、臨床研修指導医講習会なども行っています。

今後もKKR病院の安全管理・医療の質向上のミッションのために、教育コンテンツの提供、シミュレーション研修の実施を検討し進めていきます。

KS-lab運営スタッフは、共済医学会会長の大内尉義先生、運営委員長の門脇孝院長、総括の池田克彦副院長のもと、ラボマネージャーの西原美和子師長、救急科をはじめとする各科医師、看護師、救命救急士等、皆意識の高いスタッフで構成されています。KKR病院スタッフの皆様に貢献するとともに、多くの可能性を実現していきたいと考えております。

引き続きの御支援の程、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

2025年4月
センター長上坂　義和